不動産投資の 始め方は、 物件探しよりも 手元の 現金の 線引きが 先に なる
最初に決めるのは買う物件ではなく、手元の現金のうちどこまでを不動産に回すかという一本の線です。この線の位置は、生活に残す現金の額、勤務先の副業規定、そしてすでに背負っている借入という三つの条件で動き、線が決まると見るべき物件の価格帯も自動的に絞られます。
生活に 残す現金と、 不動産に 回す現金を 分ける
不動産は引渡しの翌月から家賃が入るとは限らず、逆に給湯器の交換や入居募集の広告費が先に出ていくこともあるため、手元の現金をすべて頭金に充てると、最初の想定外で資金繰りが止まります。まず、収入が途切れても暮らせる分の生活費を横に置きます。次に、教育費や車の買い替えのように支出の時期がほぼ決まっているお金を除きます。そのうえで残った額が、不動産に回せる現金です。
この線を先に引いておくと、内見の帰り道で「あと少し頭金を入れれば手が届く」という気持ちに流されにくくなります。買える価格帯が決まるので、見る物件の数も減ります。探す時間が短くなることは、会社員として本業を続けながら進めるうえで見落とされがちな利点です。
手元の現金を生活防衛費と使途の決まった支出と不動産に回せる現金に分ける考え方
手元の現金を分ける3つの層
1. 生活費
収入が途切れても暮らせる分を横に置く
2. 決まっている支出
教育費や車の買い替えなど時期が決まっているお金
3. 不動産に回せる現金
生活費と決まった支出を除いて残った額
勤務先の 副業規定と、 家族の 合意を 先に 確認する
就業規則で副業や兼業を届出制にしている勤務先は少なくなく、家賃収入が一定の規模に育つ前に社内の手続きを済ませておくと、後から説明に追われずに済みます。国家公務員は国家公務員法第103条と人事院規則14―8により、一定の規模を超える不動産の賃貸について所轄庁の長の承認が必要とされ、地方公務員も地方公務員法第38条で同様の枠組みが置かれています。規模の線引きや必要な手続は勤務先ごとに異なるため、就業規則の条文そのものと人事の担当部署で確かめてください。
家族の合意は、規定の確認と同じくらい効きます。借入を使う以上、団体信用生命保険を付けるかどうか、修繕で一時的に現金が出ていく局面をどう乗り切るかは、家計全体の話になるからです。合意がないまま買うと、空室が1室出ただけで売却の話が持ち上がり、本来必要のない安値の出口を選ぶことになりかねません。




