不動産の 開業で 最初に 引く 線と、 免許までの 進み方
不動産の開業で最初に確かめるのは、これから始める取引に宅地建物取引業の免許が要るかどうかです。ここが決まらないと、費用の見積りも手続きの順番も動きません。
物件を反復して売却したり区画を割って分譲する動きが、免許を要する側に寄ること
免許が必要な取引に近づく動き方
所有物件を貸す
免許は不要。管理会社に客付けを頼む場合も当事者にとどまる
借りた部屋を転貸する
自ら貸主になるため免許は不要だが、サブリースの規制はある
所有物件を反復して売買
自ら売主として反復して行う形に近づき、免許が必要な側に寄る
区画分譲や複数区分の仕入
区画を割る、仕入れて順に売る動き方は免許が必要な側に寄る
いま会社員として働きながら、手元の区分や一棟を貸している方もいます。その賃貸を続けるだけなら、免許は要りません。宅地建物取引業は、宅地や建物の売買・交換を自ら行うこと、売買・交換・貸借の代理や媒介を行うことを、業として営むものと定められています(宅地建物取引業法2条2号)。自分が貸主になって部屋を貸す行為は、この定義の外にあります。
免許が 要らない 取引と、 要る 取引の 線
所有する物件を貸し、家賃を受け取る。これだけなら免許は要りません。客付けを管理会社に頼んでいる場合、免許を持って仲介しているのは管理会社の側です。貸主である自分は、取引の当事者にとどまります。この状態のうちは、供託も保証協会も事務所の要件も関係しません。
借りた部屋を他人に貸す転貸も、自ら貸主になる点では同じです。ただし、サブリースの形で賃貸住宅を借り上げるなら別の法律が関わります。賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律が、特定賃貸借契約の勧誘や契約前の説明を規制しています。免許が要らないことと、規制が何も無いことは別の話です。
問題は、そこから一歩進んだときに何が変わるかです。所有物件を売って次を買い、また売る。この動きを繰り返すと、自ら売主として売買を反復して行っている形に近づきます。区画を割って分譲する、複数の区分を仕入れて順に売る。こうした動き方は、免許が要る側に寄ります。
判断に迷うのは、売却の予定が二件、三件と続くときです。相続で受けた土地を分けて売る場合も、区画の数や広告の出し方で見え方が変わります。自分の資産を整理しているつもりでも、外から見れば分譲に見えることがあります。売り始める前に、免許権者の窓口で事情を説明しておく方が安全です。
一度きりの売却は、業に当たらないと整理されることが多い取引です。一方で、反復継続して売買や仲介を行うなら免許が必要になります。どこからが業かは、件数だけで機械的に決まるものではありません。目的、相手方、取引の態様などを合わせて判断されます。国土交通省が出している宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方に、判断の観点が示されています。迷う事例は、免許権者の窓口で事前に相談するのが確実です。
知り合いの物件の買い手を探し、手数料を受け取る。この形も媒介に当たります。友人の間の一回限りの手伝いのつもりでも、それを続けて報酬を受け取れば、無免許での営業と評価される余地があります。報酬を受け取らなければ必ず安全、とも言い切れません。継続して取引の間に立つ形そのものが、業と見られる材料になります。
免許を取るまでは、報酬を受け取る形の仲介に踏み込まない。これが自分を守る線になります。前職の顧客から相談を受けても、免許が下りるまでは紹介にとどめます。紹介料の受け取りも、内容によっては媒介の報酬と見られます。開業の準備期間に起きやすい場面なので、線を先に決めておきます。









