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宅建業開業の教科書リアサポ

開業の全体像・流れ

不動産の開業ガイド|費用と期間・免許までの流れ

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 代表取締役CEO 藤山 大二郎
不動産の開業ガイド|費用と期間・免許までの流れ

「会社員として働きながら、開業の順番と費用を先に知っておきたい方へ。」。不動産の開業とは、宅地建物取引業の免許を受けて、売買や仲介を業として続けられる状態をつくることです。免許の申請より先に、宅建士と事務所の当てがあるかで進む順番が変わります。

運営は宅建業者の株式会社リアテクスで、リアサポは当社の開業・経営支援のサービスです。免許申請の代行や税務の代理はできないため、書類の作成は行政書士、融資は金融機関や税理士にお願いする前提で、開業の順番と費用の整理をお手伝いします。自分の場合の開業の順番だけ、先に確かめる(無料セミナー)

目次(9章)

先に自分の場合の開業の順番だけ知りたい方へ。

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不動産の開業ガイドの要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

不動産の開業で最初に引く線と、免許までの進み方

不動産の開業で最初に確かめるのは、これから始める取引に宅地建物取引業の免許が要るかどうかです。ここが決まらないと、費用の見積りも手続きの順番も動きません。

免許が必要な取引に近づく動き方

  • 所有物件を貸す

    免許は不要。管理会社に客付けを頼む場合も当事者にとどまる

  • 借りた部屋を転貸する

    自ら貸主になるため免許は不要だが、サブリースの規制はある

  • 所有物件を反復して売買

    自ら売主として反復して行う形に近づき、免許が必要な側に寄る

  • 区画分譲や複数区分の仕入

    区画を割る、仕入れて順に売る動き方は免許が必要な側に寄る

いま会社員として働きながら、手元の区分や一棟を貸している方もいます。その賃貸を続けるだけなら、免許は要りません。宅地建物取引業は、宅地や建物の売買・交換を自ら行うこと、売買・交換・貸借の代理や媒介を行うことを、業として営むものと定められています(宅地建物取引業法2条2号)。自分が貸主になって部屋を貸す行為は、この定義の外にあります。

免許が要らない取引と、要る取引の線

所有する物件を貸し、家賃を受け取る。これだけなら免許は要りません。客付けを管理会社に頼んでいる場合、免許を持って仲介しているのは管理会社の側です。貸主である自分は、取引の当事者にとどまります。この状態のうちは、供託も保証協会も事務所の要件も関係しません。

借りた部屋を他人に貸す転貸も、自ら貸主になる点では同じです。ただし、サブリースの形で賃貸住宅を借り上げるなら別の法律が関わります。賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律が、特定賃貸借契約の勧誘や契約前の説明を規制しています。免許が要らないことと、規制が何も無いことは別の話です。

問題は、そこから一歩進んだときに何が変わるかです。所有物件を売って次を買い、また売る。この動きを繰り返すと、自ら売主として売買を反復して行っている形に近づきます。区画を割って分譲する、複数の区分を仕入れて順に売る。こうした動き方は、免許が要る側に寄ります。

判断に迷うのは、売却の予定が二件、三件と続くときです。相続で受けた土地を分けて売る場合も、区画の数や広告の出し方で見え方が変わります。自分の資産を整理しているつもりでも、外から見れば分譲に見えることがあります。売り始める前に、免許権者の窓口で事情を説明しておく方が安全です。

一度きりの売却は、業に当たらないと整理されることが多い取引です。一方で、反復継続して売買や仲介を行うなら免許が必要になります。どこからが業かは、件数だけで機械的に決まるものではありません。目的、相手方、取引の態様などを合わせて判断されます。国土交通省が出している宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方に、判断の観点が示されています。迷う事例は、免許権者の窓口で事前に相談するのが確実です。

知り合いの物件の買い手を探し、手数料を受け取る。この形も媒介に当たります。友人の間の一回限りの手伝いのつもりでも、それを続けて報酬を受け取れば、無免許での営業と評価される余地があります。報酬を受け取らなければ必ず安全、とも言い切れません。継続して取引の間に立つ形そのものが、業と見られる材料になります。

免許を取るまでは、報酬を受け取る形の仲介に踏み込まない。これが自分を守る線になります。前職の顧客から相談を受けても、免許が下りるまでは紹介にとどめます。紹介料の受け取りも、内容によっては媒介の報酬と見られます。開業の準備期間に起きやすい場面なので、線を先に決めておきます。

名義を借りる相談が出てきたら、そこで一度止まる

免許を持つ知人の名義で営業させてもらう。この話は、開業の準備段階で耳に入ることがあります。宅建業者は、自己の名義をもって他人に宅建業を営ませてはならないと定められています(宅建業法13条)。無免許営業と名義貸しは、いずれも3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科の対象です(同法79条)。名義を貸した側も、借りた側も罰則の射程に入ります。

免許は事業を始める許しであって、持っている人から借りてくるものではありません。免許の有効期間は5年で、更新の手続きを取らなければ失効します(宅建業法3条2項)。5年ごとに自分の事業として更新し続けられるかどうか。この点も、開業の判断に含まれます。

社名や屋号だけを借りる、事務所の住所だけを置かせてもらう。こうした形も、実体を見て名義貸しと判断される可能性があります。免許の申請では、事務所の写真や賃貸借契約書で実体が確認されます。形だけ整えて申請するという発想は、そこで止めておきます。

免許が要らない取引と要る取引

観点自ら貸す(免許不要)売買や代理・媒介(免許必要)
所有物件の運用貸して家賃を受け取る売って次を買い、また売る
他人の物件借りた部屋を他人に貸す貸借の代理や媒介を行う
土地の売却そのまま売却する区画を割って分譲する
区分の売却そのまま売却する複数を仕入れて順に売る

免許の申請から営業開始までの順番と、在職中に進められること

免許の申請、免許の通知、供託または保証協会への加入の順に進み、申請先は事務所の数で決まります。免許の通知が届いた日は、営業を始められる日ではありません。

スーツ姿で通勤の途中に駅へ向かって歩く会社員
住宅街の道を鞄を提げ歩くスーツ姿の男性

免許の申請から営業開始までの順番

  1. 1

    免許の申請と通知

    申請書を提出し審査を経て通知を受ける

  2. 2

    供託または協会加入

    営業保証金の供託か保証協会への加入を行う

  3. 3

    営業開始

    供託の届出または分担金の納付後に開始できる

申請から営業開始までの並びと、在職中に進められる範囲

申請を出しただけでは、営業を始められません。退職日を先に決めてしまう方がいます。免許が下りる前に収入が途切れる、というつまずき方です。申請から免許の通知までの標準的な期間は、免許権者が目安として示しています。ただし、これは法令で定められた期限ではありません。書類の補正が入れば延びます。開業日から逆算するのではなく、免許が下りてから営業できるまでにもう一段あると考えて予定を組みます。

免許の申請書を提出し、審査を経て免許の通知を受けます。そのあとの進み方は二つに分かれます。一つは、営業保証金を供託して、その旨を免許権者に届け出る道です。この届出をした後でなければ、事業を開始できません(宅建業法25条5項)。もう一つは、保証協会に加入して弁済業務保証金分担金を納める道です。協会の社員である間は営業保証金の供託が要らないため(同法64条の13)、分担金を納めて社員になった時点から営業できます。どちらにしても、免許の通知が届いた日が営業開始日ではありません。この一点が、予定表の作り方を変えます。

選ぶ道によって、用意する資金も手続きの相手も変わります。加入審査の進め方や必要書類は協会ごとに違うので、申請の段階で加入を考えている協会に確かめておきます。手続きの中身は、後の「不動産の開業資金の積み上げと、免許までの手続きの順番」の節でまとめて扱います。

前倒しできるのは、申請より前の部分です。法人で始めるなら設立の登記、事務所を借りるなら賃貸借契約、宅建士の登録と取引士証の交付。これらは免許の申請書に書く内容なので、先に終わらせます。窓口によっては、申請の前に事前相談の予約が要ります。年度末や年度初めは窓口が混みやすく、予約が取りにくい時期があります。

補正で時間を取られやすいのは、事務所の独立性を示す写真と、証明書類の有効期間です。撮り直しや取り直しになると、そのぶん審査が止まります。提出の前に、手引のチェックリストで一つずつ照合しておきます。

会社に勤めたままでも進められる範囲があります。宅建士の登録、法人の設立、事務所の候補探し、資金の見積りまでです。手が止まるのは、専任の宅地建物取引士の設置です。事務所ごとに、業務に従事する者の数に対して5分の1以上の専任の宅建士を置くことが求められます(宅建業法31条の3第1項・施行規則15条の5の3)。専任とは、常勤して専らその事務所の宅建業に従事することを指します。他社に勤めながら自分が専任になる形は通りません。

ここで分かれ道が二つあります。自分が退職して専任になるか、専任になれる宅建士に常勤で加わってもらうかです。後者を選ぶと、人件費が開業初月から固定費として乗ります。資金の見積りが変わるので、どちらを取るかは早めに決めます。

宅建士をこれから取りに行く段階なら、受験の年から逆算します。宅建の勉強・試験・合格後の手続きのカテゴリで、受験と登録の流れを先に確かめておくと、開業時期の置き方が現実的になります。

退職の時期には、家計側の条件も絡みます。健康保険と年金は、退職の翌日から国民健康保険と国民年金に切り替わります。任意継続を選ぶ道もあり、保険料の負担が変わります。住宅ローンなどの借入を考えているなら、審査では勤務先と収入の安定が見られます。退職の前後で条件が変わる点は、金融機関に直接確かめてください。

在職中の準備には、勤務先の規程も関わります。兼業や競業についての定めがある会社は多く、法人の設立や役員への就任が届出の対象になることもあります。就業規則を読み、必要なら在職中の動き方を限定します。

事務所を置く都道府県の数で、申請先が変わる

事務所が1つの都道府県だけにあるなら、都道府県知事免許です。2以上の都道府県に事務所を置くなら、国土交通大臣免許になります。分かれ目は事務所の数であって、取引する物件の場所ではありません。東京の事務所から神奈川の物件を仲介しても、事務所が東京だけなら東京都知事免許のままです。

大臣免許の新規の申請には登録免許税9万円、更新には手数料3万3千円がかかると、国土交通省が公表している「宅地建物取引業の免許について」(国土交通省 不動産・建設経済局)に示されています。最初から二県にまたがる形で始める計画なら、申請先も費用も変わります。支店を出す時期は開業後に回す。この選択肢も併せて考えることになります。

支店を増やすと、増えるのは免許の区分だけではありません。事務所ごとに専任の宅建士が要り、代表者が常駐しない事務所には政令で定める使用人を置きます。保証協会に入っている場合は、事務所が1か所増えるごとに分担金30万円を追加で納めます(宅建業法施行令7条)。人と資金の両方が動くので、二拠点目は売上の形が見えてから考える方が無理がありません。

在職中に前倒しできる手続き

  1. 申請前

    準備を前倒しで進める

    法人登記、事務所の契約、宅建士の登録などを先に終わらせる。

  2. 申請〜通知

    免許の申請と通知の受け取り

    審査を経て通知が届く。この時点ではまだ営業を始められない。

  3. 通知後

    供託か保証協会加入で分かれる

    供託して届け出るか、協会に入り分担金を納めるかで道が分かれる。

  4. 手続き完了後

    営業の開始

    届出をした後、または社員になった時点から事業を開始できる。

「免許の申請から営業開始までの順番と、在職中に進められること」の先の進め方は、無料セミナーで整理できます。

不動産の開業は、主軸の商売と事務所の置き方で分かれる

必要な資金と在庫のリスクは、どの商売を主軸に置くかで大きく変わります。賃貸の仲介、売買の仲介、買取再販のどれかを先に決め、そのうえで事務所をどこにどう置くかを決めます。

宅地建物取引業者の内訳

  • 知事免許129,133業者
  • 大臣免許3,158業者

令和6年度末の宅地建物取引業者は132,291業者で、内訳は大臣免許が3,158、知事免許が129,133、業者数は11年連続で増えています(国土交通省の報道発表宅地建物取引業者数等の調査結果)。同じ免許を持つ事業者がこれだけいます。どの商売で食べるかを決めないまま開業すると、固定費だけが先に動き出します。

1. 賃貸の仲介から始める場合

一件あたりの報酬は小さく、仕入れの資金は要りません。売上は件数で積む形になります。最初の関門は、反響を取る手段と、繁忙期に人手が足りるかどうかです。物件情報の掲載料や広告費は、月々の固定費として先に出ていきます。成約は後から入ります。

仕事の中身は、問い合わせへの返信、内見の案内、申込と審査、契約と鍵の引き渡しです。内見の案内は土日と夕方に寄ります。一人で始めるなら、対応できる件数に上限があることを前提に月の目標を置きます。繁忙期に人を増やすなら、その時期だけの体制をどう作るかを先に考えます。

管理まで受けるなら、別の制度が関わります。賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律にもとづく賃貸住宅管理業の登録制度で、国土交通省の案内によれば、管理戸数が200戸以上になる事業者は同法の登録を受ける必要があります。宅建業の免許とは別の登録なので、開業の時点で管理を受ける予定があるなら、登録の要否と申請先を分けて確認します。

2. 売買の仲介から始める場合

一件あたりの報酬は大きく、件数が少なくても成り立ちます。その代わり、契約から決済までの期間が長くなります。報酬を受け取るのは決済のときが通常です。開業してから最初の入金までに数か月空くことを前提に、運転資金を持ちます。

前職で担当していた顧客を、そのまま連れてくることはできません。名簿の持ち出しは、前職との関係でも問題になります。反響の作り方を別に用意しておく必要があります。自社サイト、ポータルサイトへの掲載、紹介、地域での活動。どれを入口にするかを、開業日までに一つは決めておきます。

宅建業者が受け取れる媒介の報酬には上限があります。売買の媒介では、国土交通省の報酬額の告示(昭和45年建設省告示第1552号)により、代金のうち400万円を超える部分は3%、200万円超400万円以下の部分は4%、200万円以下の部分は5%が上限で、これに消費税等が加わります。代金が400万円を超える取引を一本の式にすると、代金の3%+6万円が上限額です。上限があるということは、単価の引き上げで売上を伸ばす形が取れないということです。伸ばす方法は、扱う価格帯と件数の設計に移ります。

3. 買取再販や分譲まで広げる場合と、大家として持つ物件を動かす場合

物件を自分で仕入れて売る形です。資金の桁が一段上がり、売れ残りのリスクを自分で抱えます。仕入れの資金を借入で組むなら、金融機関は事業の実績を見ます。免許を取った直後は実績がありません。自己資金の厚さと、これまでの経歴で説明することになります。

見積もる項目は、再販に回す物件の工事費、保有中の金利、固定資産税、売れるまでの期間です。これらを一棟ごとに積み、外れたときに次の仕入れができるかを先に考えます。工事の見積りは、着工後に増えることがあります。増えた分を吸収できる余地を、最初から見ておきます。

仲介で現金を作りながら、買取再販は自己資金の範囲で小さく始める。この順番を取る事業者もいます。自ら売主になると、買主が宅建業者でない場合に宅建業法上の制限がかかります。手付の額、契約不適合責任の特約、クーリング・オフ。制限の中身を確かめてから、売主として動き始めます。

すでに賃貸をしている方が免許を取ると、動ける範囲が広がります。自分の物件の売却を自分で扱えるほか、仕入れの情報が入りやすくなります。レインズを使えることも、情報の面では大きい変化です。

一方で、自ら売主として売買を続ける形になると、立場が変わります。買主が宅建業者でない場合、瑕疵や契約不適合の責任について宅建業法上の制限がかかります。買う側から見た自分の立場が変わる点は、免許を取る前に理解しておきたいところです。

大家としての事業と宅建業をどう並べるかは、税や法人の作り方にも関わります。賃貸の収益をどう扱うかから考えるなら、不動産投資を、事業として組み立てるのカテゴリの内容と合わせて整理します。免許を取る時期の判断がしやすくなります。

主軸にする商売ごとの資金と報酬の比較

商売の主軸物件の仕入れ資金1件あたりの報酬収益化の形と懸念
賃貸仲介不要少額広告費が先行し件数で稼ぐ
売買仲介不要高額広告費が先行し件数は少ない
買取再販必要高額物件を保有し利益を狙う

4. 一人で始めるか、人を雇うか

人を雇うかどうかは、開業の費用よりも手続きの量を変えます。従業員を雇い入れた時点で、労働保険の加入手続きが生じます。条件を満たせば、社会保険の手続きも発生します。雇用契約書の交付、労働条件の明示、賃金台帳の作成も要ります。

不動産会社の人事・労務でよく挙がる課題は三つです。歩合を含む給与の設計、繁忙期の長時間労働、退職時のトラブル。いずれも、就業規則と雇用契約書の作り方で予防できる範囲があります。歩合の計算方法と支払いの時期は、書面ではっきりさせておきます。

社労士とは、労働・社会保険の手続きと人に関する相談を扱う専門家です。関わり方は、手続きの代理とコンサルの二種類があります。月々の顧問契約と、就業規則の作成などのスポット依頼を使い分けられます。顧問契約の費用相場は、従業員数や依頼範囲で変わります。一人目を雇う前に見積りを取り、スポットで足りるか顧問が要るかを決めます。人を雇うかどうかが分岐点なので、一人で始めるうちは急ぎません。

賃貸の仲介から始める場合の関門

  • 資金と売上の形

    仕入れ資金は不要。一件の報酬が小さく、売上は件数で積む

  • 最初の関門

    反響を取る手段の確保と、繁忙期に人手が足りるかどうか

  • 費用の動き方

    広告費などの固定費が先に出ていき、成約は後から入る

  • 業務の偏り

    内見の案内は土日と夕方に寄るため、対応件数に上限がある

  • 200戸以上の管理

    宅建業とは別に、賃貸住宅管理業の登録が必要になる

事務所を自宅に置けるかどうかと、立地の決め方

事務所と認められるかどうかは、生活空間や他人の使う部分と明確に区分され、継続的に業務を行える施設かどうかで決まります。この形が決まると、初期費用と毎月の固定費の上限も決まります。

自宅の部屋で机に向かって開業の準備を進める人
自宅の机でノートパソコンに向かう女性

事務所に備える設備と掲示の義務

  • 独立性の確保

    他人の居住空間を通る形や、仕切り無しの共用は難しい

  • 業務設備の基準

    固定の机、椅子、電話、書類を保管できる場所が整っているか

  • 掲示と備え付け

    標識と報酬額を掲示し、帳簿と従業者名簿を備える義務がある

  • 賃貸物件の用途

    住居専用は不可。事務所可の物件か、貸主の承諾が必要になる

1. 事務所として認められる形と、自宅を使えるか

生活空間や他人の使う部分と明確に区分され、継続的に業務を行える施設かどうかで、事務所と認められるかが決まります。その条件を満たせるかで、自宅開業か賃貸かが分かれます。物件を先に借りてから窓口に相談し、要件を満たさないと分かる。契約をやり直すことになる、という順番の誤りが起きやすいところです。事務所の要件は、免許権者ごとの手引で細かく示されています。写真や間取り図、賃貸借契約書の写しを添えて審査されます。契約の前に手引を読み、迷う形なら窓口に図面を持って相談する。その方が、結果として早く済みます。

基本は二つです。継続的に業務を行える施設であること。そして、他の法人や個人の使用する部分、生活の空間と明確に区分されていることです。玄関からその部屋に入るまでに他人の居住空間を通る形は、独立性の点で難しくなります。一つの部屋を、他の会社と仕切り無く共用する形も同じです。

設備も見られます。固定の机、椅子、電話、書類を保管できる場所。業務ができる状態が整っているかどうかが基準です。事務所には標識を掲げる義務があり(宅建業法50条1項)、報酬額も掲示します(同法46条4項)。帳簿と従業者名簿も、事務所ごとに備えます(同法49条・48条3項)。机と椅子があればよい、という話ではありません。

賃貸で借りる場合は、契約書の使用目的を確かめます。住居専用になっていると、事務所として使えません。貸主から事務所使用の承諾を得られるか、事務所可の物件を選ぶか。契約前に決めます。法人の本店の所在地と事務所の所在地が異なる場合の扱いも、手引に記載があります。

レンタルオフィスやシェアオフィスは、区画の作りによって判断が分かれます。壁と扉で区切られた個室で、その区画を自社だけで使えるかが焦点です。共用の会議室しか無い形や、席が固定されない形は難しくなります。契約する前に、区画図を持って窓口に相談してください。

自宅の一部を事務所にする形は、条件が合えば認められることがあります。生活空間と区分でき、独立して出入りできる構造であることです。玄関を入ってすぐの一室を事務所として専用で使い、家族の居住部分と扉で区切る。こうした作り方が典型です。

賃貸マンションの一室なら、確認する先が増えます。管理規約や賃貸借契約で、事務所使用が禁じられていないかを重ねて見ます。分譲マンションでも、規約で住宅専用と定めているところがあります。看板の掲出が禁止されていることもあります。

自宅開業は賃料を抑えられます。その代わり、免許の申請時に自宅の写真を提出します。事務所の所在地は、宅地建物取引業者名簿を通じて閲覧の対象になります。来客を自宅に通したくないなら、応接は別に確保する前提で考えます。近くの貸会議室を使う、共用の会議室がある物件を選ぶ、といった手当てです。

2. 立地は、路面かどうかとエリアで決める

来店を取りにいくなら路面店、そうでないなら非路面店。この分け方が、賃料の判断を単純にします。賃貸の仲介で通りがかりの来店を拾いたいなら、駅からの動線と、通りに面した間口が効きます。路面店は認知と来店が取れる代わりに、賃料と内装の初期費用が重くなります。雑居ビルの2階以上や自宅は費用を抑えられますが、問い合わせの入口を広告と紹介に寄せる必要があります。

売買の仲介や買取再販が中心なら、路面である必要は薄くなります。優先度が高いのは、商談の場所と、書類を安全に保管できる環境です。内装や店構えは、重要事項説明を落ち着いて行える応接と、個人情報を施錠して保管できる場所から考えると過不足がありません。

判断の順番としては、月の固定費に置ける上限を先に決めます。そのうえで、路面の賃料が入るかどうかを見ます。入らないなら非路面を選び、浮いた分を広告費に回す。この置き換えができるかどうかで、立地の答えが出ます。

賃料の安さだけでエリアを選ぶと、物件情報も人の縁も無い場所で一から始めることになります。前職で担当していた地域、自分が物件を持っている地域、親族や知人が多い地域。このいずれかに重ねると、最初の数件の入口ができます。

同業が多いことは、競争が激しいことを意味します。同時に、共同仲介の相手がいるということでもあります。地場の業者との付き合いが情報の入口になる地域もあります。開業前に、その地域の取引の量と、売り物の出方を見ておきます。

将来の採用も立地の判断に入ります。人を雇う予定があるなら、通勤しやすい場所かどうかが募集の反応を左右します。保証協会の支部や、研修が行われる場所との距離も見ておきます。入会後の研修や手続きで、足を運ぶ機会があるためです。

事務所の独立性を満たせる形と満たせない形

観点独立性を満たせる形独立性を満たせない形
自宅の一室生活空間と明確に区分されている入室までに他人の居住空間を通る
他社との同居他の法人の使用部分と区分されている一つの部屋を仕切り無く共用する
設備と環境固定の机や書類の保管場所がある机と椅子があるだけ

「事務所を自宅に置けるかどうかと、立地の決め方」の先の進め方は、無料セミナーで整理できます。

不動産の開業資金の積み上げと、免許までの手続きの順番

開業資金は、3つに分けて積み上げます。免許まわりの法定費用、事務所の初期費用、当面の運転資金です。分けると、足りない額がはっきりします。

街の通りに面して建つ不動産店舗の並びと周囲の景色
商店が並ぶ通りを歩く人と自転車に乗る人

免許まわりの法定費用の決まり方

  • 免許の申請手数料

    東京都の電子申請(新規・更新)の場合、26,500円

  • 保証協会に加入する道

    主たる事務所で弁済業務保証金分担金60万円を納める

  • 営業保証金を供託する道

    主たる事務所で1,000万円を供託所に供託する

  • 事務所を1か所増やすごと

    保証協会は30万円、供託は500万円がそれぞれ追加で必要

総額がいくらになるかを先に知りたくなります。ただ、金額の幅を作っているのは3点です。保証協会に入るか営業保証金を供託するか。事務所を借りるか自宅にするか。人を雇うかどうか。この3つを決めないまま相場を眺めても、自分の数字にはなりません。決めてから項目を埋めます。

1. 免許まわりの法定費用を確定させる

最初に固まるのが、免許の申請手数料と、供託または分担金です。東京都の場合、電子申請による新規・更新の免許申請手数料は26,500円と示されています(宅地建物取引業免許の電子申請)。書面申請の額や添付書類は、各都道府県の手引で確認します。

そのうえで、営業保証金を供託する道と、保証協会に入る道のどちらを取るかを決めます。ここで用意する額が大きく変わります。

納める場面保証協会に加入する場合営業保証金を供託する場合
主たる事務所弁済業務保証金分担金 60万円1,000万円
事務所を1か所増やすごと30万円500万円
根拠宅建業法施行令7条宅建業法施行令2条の4

保証協会に加入する場合は、この分担金のほかに入会金や年会費などが必要です。金額は協会や都道府県の本部によって異なります。加入を予定する協会の案内で確認してください。分担金は加入の際に納め、営業保証金は供託所に供託します。資金の置き場所として、同じものではありません。

戻ってくるかどうかも違います。どちらも廃業などの際に所定の手続きを経て戻る性質のものですが、手続きと時期が異なります。手元から出た資金が当面戻らない点は共通です。運転資金の計算では、出ていく資金として扱います。

2. 事務所と内装・什器の初期費用

事務所を借りるなら、最初に出るのは敷金、礼金、仲介手数料、前払いの賃料です。原状回復に関わる条件も、契約時に確かめます。事業用の賃貸では、保証会社の利用が条件になることもあります。

内装は、来店型にするかどうかで幅が出ます。応接の仕切り、看板、照明までやるか。机と書庫だけで始めるか。ここを先に決めます。什器は、中古で足りるものと新品で揃えた方がよいものを分けると無駄が減ります。書類を施錠して保管する書庫は、省けない項目です。

業務のシステムも初期費用に入ります。物件情報の掲載、契約書類の作成、賃貸管理を扱うなら管理システム。賃貸管理システムは複数の会社が提供していて、管理戸数や機能で料金体系が違います。扱う予定の戸数を伝えて見積りを取ります。

開業の初期費用は、6つに整理しておくと抜けを見つけやすくなります。法定費用、事務所、内装と什器、システム、当面の広告費、そして名刺や会社印、電話とインターネットの開設費です。最後の1つは小さい項目の集まりですが、開業日までに必ず要ります。

3. 運転資金(運営資金)を何か月分見るか

開業後の運営資金は、売上が入るまでの時間から逆算します。売買の仲介なら、契約から決済まで一定の期間があります。報酬を受け取るのは決済のときが通常なので、最初の入金は開業から数か月先になります。賃貸の仲介でも、繁忙期と閑散期で件数の差が大きく、月ごとの収支は平らになりません。

固定費として毎月出ていくのは次の項目です。賃料、人件費、物件情報の掲載料、通信費、保証協会の会費、システムの利用料、そして自分自身の生活費。この合計に、入金が始まるまでの月数を掛けます。さらに、その後の変動を吸収する余裕を足します。

自分の生活費を運転資金に入れ忘れる形が起きやすいところです。会社員のときの手取りと、家族の支出を書き出しておきます。開業資金の見積りで足りなくなるのは、たいていこの運営資金の部分です。

4. 開業資金が足りないときの選択肢

不足が分かったときに取れる手は3つです。金額を下げるか、調達するか、時期をずらすか。順に見ます。

金額を下げるなら、効き方に順番があります。自宅を事務所にする、雇用を後に回す、保証協会に入って供託を避ける、内装を最小限にする。この順で効きます。調達するなら、創業時の融資制度を扱う日本政策金融公庫や、都道府県・市区町村の制度融資が入口になります。制度融資は自治体ごとに条件が違うので、事務所を置く自治体の窓口で確かめます。

時期をずらす判断も、失敗ではありません。自己資金が薄いまま借入だけで始めると、最初の数か月の返済が固定費に上乗せされます。勤めながら宅建士の登録まで済ませ、自己資金を積んでから申請する。同じ開業でも、運営資金の余裕が変わります。

融資を受けるかどうかにかかわらず、事業計画は作っておきます。売上の見込み、固定費、入金の時期を数字で並べる作業です。自分の数字を説明できないまま窓口に行くと、話が進みません。開業のかたち全体を比べたいときは、宅建業(不動産業)の開業のカテゴリから、費用や免許の各テーマに分かれた記事をたどれます。

開業資金の積み上げと金額の分岐

  1. 1

    免許まわりの法定費用

    保証協会に入るか営業保証金を供託するかで幅

  2. 2

    事務所の初期費用

    事務所を賃貸で借りるか自宅にするかで幅

  3. 3

    当面の運転資金

    人を雇うかどうかで金額の幅ができる

宅建士の登録から免許の申請、保証協会への加入まで

手続きは、宅建士の登録、法人か個人かの決定、免許の申請、供託または保証協会への加入の順に進み、前が終わらないと次へ入れません。

宅建の合格後に机で手続きの準備をしている会社員
木のテーブルで書類に向かい合う男性

免許申請の前提となる準備の順番

  1. 1

    申請前の準備

    宅建士の登録、法人の設立、事務所の確保

  2. 2

    免許の申請

    専任の宅建士と事務所の情報を書き申請する

  3. 3

    供託または保証協会

    申請の後に供託の届出または分担金の納付へ進む

1. 宅建士の登録と取引士証の交付、法人か個人かの決定

免許の申請書には、専任の宅建士と事務所の情報を書きます。宅建士の登録が済んでいない、事務所が決まっていない。この状態では、申請の段階に入れません。どこから手を付けるかは、いま欠けているものが何かで決まります。

試験に合格しただけでは、宅建士として業務はできません。登録と取引士証の交付が要ります。登録を受けられるのは、合格したうえで実務の経験が2年以上ある方です(宅建業法18条1項・施行規則13条の15)。実務の経験が足りない場合でも、国土交通大臣がそれと同等以上の能力を有すると認めた方は登録を受けられ、登録実務講習の修了者がこれに当たります。登録の申請先は、試験を行った都道府県の知事です。

通信の学習とスクーリングで構成されるのが、この登録実務講習です。開催の日程は実施機関ごとに決まっていて、希望の回が埋まることもあります。合格発表の直後に申し込む前提で、日程を先に押さえておきます。

登録のあとに、取引士証の交付を申請します。試験の合格から1年を超えてから交付を受けるときは、法定講習が必要です。申請前6か月以内に行われるものを受けます(宅建業法22条の2)。合格から時間が空いている方は、この講習の日程が開業日に影響します。合格後の手続きの順番は、宅建の勉強・試験・合格後の手続きのカテゴリでも扱っています。

法人で申請するなら、免許の申請より前に設立を終えておきます。定款の事業目的に、宅地建物取引業を入れ忘れないことです。忘れると、目的の変更登記をやり直すことになります。定款を作る段階で確認します。

個人事業として始めるなら、設立の費用はかかりません。その代わり、取引先や金融機関から見た信用、将来の従業員の採用、決算と税の扱いが変わります。あとから法人に変える場合、免許は取り直しになります。個人の免許を法人に引き継ぐことはできません。数年以内に法人化を考えているなら、最初から法人で申請する方が手戻りがありません。

免許には欠格事由があります。一定の刑に処せられて5年を経過しない場合などは、免許を受けられません(宅建業法5条)。法人なら、役員や政令で定める使用人も審査の対象になります。誰を役員に入れるかは、この点を確認してから決めます。名前だけ借りる形の役員は、置かない方が無難です。

2. 免許の申請書類をそろえ、供託または保証協会への加入へ進む

申請書の本体に加えて、複数の書類が求められます。宅建業経歴書、誓約書、専任の宅建士の設置を示す書類、略歴書、資産に関する調書、身分証明書、登記されていないことの証明書などです。市区町村や法務局で取る証明書には、発行から有効な期間が決まっているものがあります。取る順番を間違えると、取り直しになります。

事務所の写真と間取り図は、独立性が分かるように用意します。入口から事務所までの動線、他の部屋との区切り、机と書庫の配置。窓口が見たいのはこの3点です。写真は複数の角度から撮っておくと、撮り直しが減ります。

書類の一覧と様式は、免許権者ごとに違います。手引も更新されます。申請の直前に最新版を取り直してから並べ始めると、手戻りが減ります。書類作成そのものに時間を割きたくない場合や、記載に不安がある場合は、行政書士に依頼する選択肢があります。当社は書類の作成代理ができないため、この部分は行政書士にお願いする前提で考えてください。

免許の通知を受けたあとの手続きは、選んだ道で分かれます。営業保証金を供託する道なら、供託所に供託し、その旨を免許権者に届け出ます。この届出をした後でなければ、事業を開始してはならないとされています(宅建業法25条5項)。保証協会に加入する道なら、加入審査を経て弁済業務保証金分担金を協会に納めます。協会の社員である間は営業保証金を供託する義務が適用されないため(同法64条の13)、分担金を納めて社員となった時点から営業を始められます。免許権者への届出は、協会を通じて回ります。

供託の道を選んだ場合、免許を受けた日から3か月以内に届出が無いと、免許権者から催告されます(宅建業法25条6項)。それでも届出が無ければ、免許が取り消されることがあります。協会の道では、加入審査で面談や説明会が組まれることがあり、分担金の納付までにかかる日数は協会や支部で違います。書類の一覧と日程は、免許の申請を出した段階で、加入を考えている協会に直接確かめておきます。

営業を始めたあとも、届出は続きます。事務所の移転、役員や専任の宅建士の変更、商号の変更。これらは変更の届出の対象です(宅建業法9条)。5年ごとの免許の更新は、有効期間満了の一定期間前に申請します。期限の管理は、開業日に決めた仕組みで回す方が抜けません。

「宅建士の登録から免許の申請、保証協会への加入まで」の先の進め方は、無料セミナーで整理できます。

不動産の開業をリアサポに相談する場合と、向かない場合

当社に相談する場合は、3点を先に確かめます。宅建士を自分で持っているか、事務所の当てがあるか、どの商売にいくらの資金を置くかです。

事務所として借りた部屋のドアノブに手をかける様子
玄関のドアノブに手をかけ開ける女性

取引態様:本メディアでは物件の売買・仲介を行いません。記事でご案内する無料セミナー「リアサポ」は、運営会社である当社のサービスです

2022年秋に始めた当社のサービスが「リアサポ」で、宅建業の開業と経営を支援しています。無料セミナーはオンラインで約3時間です。開業の順番と費用の全体像を整理する場で、当社のサービス説明会を兼ねています。

先に確かめる3つの点

まず、宅建士を自分で持っているかどうかです。ここが決まらないと、開業の時期も、人件費が固定費に乗るかどうかも動きます。自分が持っているなら、退職の時期の話になります。持っていないなら、受験の年から逆算するか、専任になれる方に加わってもらうかの二択です。

次に、事務所の当てがあるかを見ます。自宅の一室を使える形なのか、借りる前提なのか。ここで初期費用と申請の準備が変わります。自宅を考えているなら、生活空間と区分できるかを間取りで確かめます。

最後に、商売と資金です。賃貸の仲介・売買の仲介・買取再販のどれを主軸にするか。保証協会に入るか供託するか。この二つを合わせて、資金の当たりを付けます。3点が決まると、あとの手続きは並び順の問題になります。

開業相談で先に確かめる3つの点

  1. 1

    宅建士を持っているか

    持っていれば退職時期、無ければ受験か採用

  2. 2

    事務所の当てがあるか

    自宅なら間取り確認、借りるなら初期費用

  3. 3

    商売と資金

    主軸の商売と、協会か供託かを選び資金を想定

当社がお手伝いしないこと

このほかに、当社の支援が向かない場面があります。

  • 賃貸の管理と自分の物件の賃貸だけを続ける予定の方。売買や仲介を業として行う考えが無いなら、免許そのものが要らない場面があります。3時間の内容の多くが当てはまりません。
  • 免許の申請書類の作成そのものを任せたい方。当社は書類の作成代理ができません。行政書士に依頼する方が早く確実です。
  • 宅建試験の勉強を始めたばかりで、受験する年も開業時期も決めていない方。先に合格までの計画を立てる方が、費用の話が現実の数字になります。
  • 融資が通るかどうかを今日知りたい方。可否は金融機関の審査で決まります。公庫や取引先の金融機関の窓口に直接相談する方が、答えが早く出ます。

セミナーの当日と、そのあと

当日は、免許と宅建士と事務所の三つがどう噛み合うかを順に見ていきます。費用がどこで分かれるかも同じ流れで確かめます。個別の事情がある場合は、その場で全部を解けないこともあります。行政書士や税理士、金融機関に振り分ける前提で整理します。お問い合わせは、サイトのお問い合わせフォームから受け付けています。セミナーのお申し込みも、申込フォームから受け付けています。

なお、当社がどのような立場でこのメディアを運営しているかは、運営者情報に記載しています。免許番号もそちらでご確認いただけます。記事を確認している担当については、監修者の一覧に掲載しています。

この記事の税務・法務に関する記載は、一般的な情報提供です。個別の事案についての判断ではありません。免許の申請については都道府県の窓口または行政書士へ。税務や融資については税務署・金融機関または税理士へ。契約や権利関係については弁護士へご確認ください。当社は宅建業者であり、税務や法律の代理、免許申請の代行はできません。

「不動産の開業をリアサポに相談する場合と、向かない場合」の先の進め方は、無料セミナーで整理できます。

不動産の開業で決める順番の要点

  • 自ら貸すだけなら免許は要りません。売買や仲介を業として反復継続するなら免許が要ります。この線を引いてから、免許の準備に入ります。
  • 費用の幅を作るのは3点です。保証協会に入るか営業保証金を供託するか、事務所を借りるか自宅にするか、人を雇うかどうか。
  • 免許の通知が届いた日は、営業開始日ではありません。営業保証金を供託する道なら届出をした後(宅建業法25条5項)、保証協会に入る道なら分担金を納めて社員になった後(同法64条の13)に、事業を始められます。

当社も宅建業の免許を受けて営業しています。開業の順番と費用をご自身の条件に当てはめる場として、無料セミナー(リアサポ)を開いています。免許番号は運営者情報に記載しています。

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宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号 取引態様:本メディアでは物件の売買・仲介を行いません。記事でご案内する無料セミナー「リアサポ」は、運営会社である当社のサービスです

不動産の開業についてよくある質問

Q1. 不動産業で起業した人の成功率はどのくらいですか?

成功率を示す公的な統計は見当たりません。当社も、割合の数字は持っていません。判断の材料になるのは、続けている事業者と、処分を受けた事業者の実数です。国土交通省の集計では、令和6年度の監督処分は免許取消99件、業務停止16件でした(宅地建物取引業者に対する行政処分等の状況)。自分の場合に見るべき条件は二つです。売上が入るまでの月数を運営資金でまかなえるか。反響を取る入口が、開業日に用意できているか。

Q2. 不動産業で開業すると年収はいくらくらいになりますか?

金額を約束できるものではありません。個人の実績を示しても、それが同じように再現されるわけではありません。収入の作られ方は、扱う商売によって形が違います。賃貸の仲介は単価が小さく、件数で積む形です。売買の仲介は件数が少なくても、一件の報酬が大きくなります。媒介の報酬には、国土交通省の告示による上限があります。手元に残る額は、そこから賃料、人件費、広告費、保証協会の会費などの固定費を引いた後の話です。

Q3. 不動産営業はきついと言われますが、独立しても同じですか?

会社員の営業と独立後では、きつさの中身が変わります。勤めているときは、件数の目標と勤務時間が負荷になります。独立後は、反響の入口づくり、資金繰り、免許や書類の管理が自分に乗ります。人を雇えば、労務の課題も加わります。歩合の設計や就業規則の整備が必要になります。独立して負荷が減るわけではありません。かかる場所が移ると考えておく方が、開業後の落差が小さくなります。

Q4. 不動産屋として開業すると儲かりますか?

儲かるかどうかを事前に断定できる材料はありません。見えるのは構造の方です。仲介は仕入れの資金が要らない代わりに、反響の獲得費用が先に出ていきます。買取再販は在庫を持つ代わりに、一件の利益が大きくなります。どちらも、固定費を何か月分持っているかで耐えられる期間が決まります。開業前に確かめられるのは利益ではありません。入金が始まるまでの月数と、その間の固定費の合計です。

Q5. 不動産の三大タブーとは何ですか?

三大タブーという言い方に、法令上の定義はありません。宅建業法がはっきり禁じているものを挙げるなら、三つです。免許を受けずに宅建業を営むこと(12条1項)。自己の名義で他人に宅建業を営ませること(13条1項)。著しく事実に相違する表示などの誇大広告(32条)。無免許営業と名義貸しは、宅地建物取引業法第79条により、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科の対象になります。業として反復継続して売買や仲介を行うなら免許が要る。この線を踏み越えないことが出発点です。

Q6. 宅建士の資格はもう価値がないのでしょうか?

登録者は増え続けています。国土交通省が公表している宅地建物取引業法の施行状況調査(令和6年度末時点)では、令和7年3月末時点の宅地建物取引士の総登録者数は1,211,760人、その年度の新規登録は30,336人でした。事務所ごとに、業務に従事する者の5分の1以上の専任の宅建士を置くことが求められています(宅建業法31条の3第1項)。宅建業を営む限り、資格者は必要です。令和7年度の試験は、受験者245,462人に対し合格者45,821人、合格率18.7%と不動産適正取引推進機構が公表しています。開業を目指すなら、まず自分が持つか、置ける人を確保するかを決めることになります。

当社の見方

この「宅建業」としての「免許の取得」は難しい内容ではなく、要件さえ満たせば簡単に取得できる免許です。

前述したとおり、宅地建物取引業者としての免許申請の要件を満たせば、不動産業の開業はなんら難しくはありません。

ただし、免許を持っていても実際に実務を行う知識や事業を伸ばす知識がなければ何も意味がありません。

不動産会社のAさんは、サラリーマンの傍ら不動産投資家として活動していましたが、不動産に対する興味が高じて、脱サラして宅建業の開業を決意しました。

顧客のターゲットなどは特に決めていなかったのですが、土地勘のある地元で、自宅をそのまま事務所として登録し、開業しました。

また、「街の不動産屋」として集客するには、マンションの一室として開業した事務所は立地が悪く、とはいえインターネットで集客するためのマーケティングの知識がAさんには無かったため、物件情報がいくら入ってきても全くお金に変えることができず、厳しい開業初年度となりました。

当社の無料セミナーと入会時の講義で話している内容を、個人や会社が分からない形に整えて要約します。

当社の開業講座では、最初に「免許を取ることと、利益が出る業者になることは別の話」と伝えています。免許は、専任の宅建士・事務所・会社・開業資金をそろえて申請すれば、手順どおりに進みます。難しいのはその後で、伸び悩む業者に共通するのは、仕入れの人脈がない、契約の実務に自信がない、経営の数字を見たことがない、法務や税務の守りがない、Web の集客を知らない、のどれかでした。そこで講座では、開業前の状態を三つに分けて進め方を変えます。宅建士も免許も無い人、宅建士はいるが免許が無い人、両方そろっている人です。免許を待つ間にも、宅建士の確保、事務所探し、ホームページの準備は並行して進められます。自分の免許を取る前に、すでに免許を持つ業者の従業者として登録され、その業者の名義と管理のもとで業務委託の営業として動き始める道もあります(自分の名前で取引を受けるのは、免許が下りてからです)。最初に何の商売をするか(売買の仲介か、賃貸か、業者向けの卸か)を決めてから申請に進むと、事務所や資金の組み立てが無駄になりません。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は自らも宅建業を営み、不動産業の開業を支援する立場から、宅建業の開業・宅建試験・不動産投資を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
藤山 大二郎藤山 大二郎株式会社リアテクス 代表取締役CEOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。
この記事の事実確認の方法
法令:宅地建物取引業法
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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