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宅建業開業の教科書リアサポ

保証協会・保証金

宅建業の保証協会とは|加入の流れと費用・供託との違い

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
宅建業の保証協会とは|加入の流れと費用・供託との違い

「免許の申請の準備をしながら、協会に納める額がまだ固まっていない方へ。」。宅建業の保証協会とは、社員の宅建業者に代わって弁済業務保証金を供託し、取引の相手方への還付にあたる指定団体です。ここに入ると、主たる事務所で1,000万円を供託する代わりに、分担金60万円で営業を始められます(施行令2条の4・7条)。

運営は宅建業者の株式会社リアテクスで、無料セミナー「リアサポ」は当社の開業・経営の支援のサービスです。入会の申込書や免許の申請書の作成は当社では承れないため、供託と加入のどちらで資金を組むかの比べ方までをご一緒します。自分の場合の開業の順番だけ、先に確かめる(無料セミナー)

目次(12章)

先に自分の場合の開業の順番だけ知りたい方へ。

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開業の資金でいちばん大きく振れるのは、営業保証金を供託するか保証協会に入るかという一点です。主たる事務所がひとつなら、前者は1,000万円、後者は弁済業務保証金分担金60万円です(宅地建物取引業法施行令2条の4・7条)。この選択は免許の申請とほぼ同じ時期に決まります。事務所をいくつ置くかによって、どちらの道でも額が積み上がっていきます。

宅建業の保証協会とはの要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

宅建業の保証協会とは、どんな仕事をする団体か

宅建業の保証協会は、国土交通大臣の指定を受けた団体です。社員である宅建業者に代わって弁済業務保証金を供託し、取引の相手方への還付にあたります。

宅建の合格者が、自宅の書斎の机に向かって開業の手続きについて考えている様子

名前のよく似た宅地建物取引業協会と同じものだと受け取られがちですが、費用の出どころも入会の手続きの相手も別です。手元の案内に並ぶ金額がどちらのものかによって、読み方が変わります。協会が何を引き受ける団体なのかを先に押さえると、分担金として納める額が何の対価なのかが見えてきます。

保証協会が行う三つの業務

  • 弁済業務

    開業費用に直結。社員と取引した人のための仕組み

  • 苦情の解決

    取引相手からの申出で協会が調査し解決にあたる

  • 研修

    宅建業に従事する者向け。入会後の日々の業務に効く

弁済業務・苦情の解決・研修という三つの業務

保証協会が行うものとして定められているのは、三つの業務です(宅地建物取引業法64条の3第1項)。社員の取り扱った取引についての苦情の解決、宅建業に従事する者への研修、そして弁済業務です。開業を考える側から見ると、弁済業務が費用に直結し、残る二つは入会した後の日々の業務に効いてきます。

弁済業務は、社員と宅建業に関して取引をした人のための仕組みです。その取引から生じた債権について、協会から弁済を受けられます。ここで大事なのは還付の限度です。その社員が社員でないとしたならば供託すべき営業保証金の額に相当する額の範囲内とされています(宅建業法64条の8第1項)。つまり取引の相手から見た保証の厚みは、供託している業者と社員である業者とで変わりません。分担金が営業保証金より小さいのは、保証が薄いからではありません。社員が出し合った資金を、協会がまとめて供託する形を取っているためです。

苦情の解決は、取引の相手方から申出があったときに、協会が事情を調べて解決に当たる業務です(宅建業法64条の5)。申出を受けた協会は、社員に事情の照会や資料の提出を求めることがあります。社員の側には、求められたときに応じる立場が生まれます。研修については、協会が取引士やこれから業務に従事する者に対して実施することが定められています(同法64条の6)。開業直後で実務の勘がない人にとっては、書式の使い方や取引の流れを確かめる場になります。ただし研修に出る時間は自分で空けるしかなく、一人で始めるなら、その日は営業の手が止まります。

宅建協会と保証協会は、名前が似ていて別の法人

業界団体である宅地建物取引業協会と、弁済業務を担う保証協会は別の法人です。それでいて入会の手続きが実質ひとつにまとまっているため、窓口でよく混乱が起きます。入会の案内に載る金額には、業界団体の入会金と年会費、保証協会の分担金、支部で使う費用などが混ざっています。合計だけを見ていると、毎年出ていく分と一度きりの分の区別がつきません。

区別の仕方はそれほど難しくありません。法令に額が書かれているのは分担金だけで、それ以外は団体が自分で決めている費用です。案内をもらったら、行ごとに二つの印を付けてください。「法令で決まる額か、団体が決める額か」「一度きりか、毎年か」。それだけで、資金計画に写せる形になります。

社員になると、契約前の説明の中身が変わる

保証協会に入るかどうかは、開業後の実務にも一つ違いを残します。宅建業者は、取引の相手方に対して契約が成立するまでの間に、供託所などについて説明するようにしなければなりません(宅建業法35条の2)。相手方が宅地建物取引業者である場合は除かれます。供託している業者なら、営業保証金を供託した供託所とその所在地を伝えます。保証協会の社員なら、社員である旨と協会の名称・住所・事務所の所在地、そして弁済業務保証金が供託されている供託所とその所在地です。

重要事項説明の直前に慌てないよう、入会の通知が届いた時点で手を打ちます。説明に使う文面を自分の書式に組み込んでおくと、取りこぼしが減ります。加入した協会の名称や住所は変わることがあります。書式に直書きするより、年に一度は協会の案内と突き合わせる置き方の方が安全です。

保証協会に入らない場合に必要な営業保証金とは

保証協会に入らない宅建業者は、主たる事務所について1,000万円を供託所に供託します。その届出を済ませてから営業を始めます(宅建業法25条・施行令2条の4)。

供託の額は事務所の数で決まり、納める先も届出の相手も協会の道とは違います。どちらを選ぶかで、用意する現金の桁が変わります。資金の見積りは、この二本立てのまま並べて書いていくのが確実です。

営業保証金と分担金の納め方の違い

観点供託の道(営業保証金)保証協会の道(分担金)
納める人業者本人保証協会(社員に代わって)
納める先主たる事務所のもよりの供託所保証協会
主たる事務所の額1,000万円60万円
その他の事務所の額500万円30万円
有価証券の利用一定の有価証券でも供託できる金銭のみ(有価証券は不可)

誰が、どこに、いくら納めるか

営業保証金は、主たる事務所のもよりの供託所に供託します(宅建業法25条1項)。額は、主たる事務所につき1,000万円、その他の事務所ごとに500万円と定められています(宅地建物取引業法施行令2条の4)。納めるのは業者本人で、協会のように誰かが代わりに供託してくれるわけではありません。

全額を現金でそろえなければならないわけではありません。金銭のほか、一定の有価証券でも供託できます(宅建業法25条3項)。手元に国債などを持っている人にとっては、現金の負担が軽くなる道です。ただし評価の扱いは有価証券の種類で異なるため、持ち込む前に法務局の案内で確かめてください。そもそも1,000万円分の資産を開業のために固定できるかどうか。それが、この道を選べるかどうかの最初の線になります。

届出を済ませるまでは事業を始められない

免許の通知が届いた日が営業開始日ではない、という点は供託の道でとくに効いてきます。供託をした旨を免許権者に届け出た後でなければ、事業を開始してはならないと定められているためです(宅建業法25条5項)。免許は下りているのに、看板を出せない期間が生まれます。供託の段取りは、免許の申請と同じ表に書き込んでおきます。

放っておくとどうなるかも決まっています。免許を受けた日から3か月以内に供託の届出がないときは、免許権者から届出をすべき旨の催告がされます(宅建業法25条6項)。催告を受けてもなお届出がないときは、免許が取り消されることがあります。資金の手当てに時間がかかりそうなら、免許の申請の時期そのものを後ろにずらします。その方が、結果として損が小さくなります。

供託をしてから営業を始めるまでの手順

  1. 免許の通知

    営業はまだ始められない

    免許が下りても、供託と届出を済ませるまでは看板を出せない

  2. 供託

    供託所に供託する

    主たる事務所のもよりの供託所に1,000万円を納める

  3. 届出

    免許権者へ届け出る

    供託した旨を届け出る。免許から3か月以内に済ませる

  4. 届出後

    事業の開始

    届出を済ませて初めて営業を始められる

取り戻すときは公告と期間が要る

供託した営業保証金は、廃業などで不要になれば取り戻せますが、その場で戻ってくるものではありません。取戻しにあたっては、公告をすることが求められています(宅建業法30条2項)。還付を請求する権利を有する者に対し、6か月を下らない一定の期間内に申し出るべき旨を知らせる公告です。事業をたたむと決めてから資金が手元に戻るまでに、半年を超える時間がかかる形です。

保証協会の分担金も同じです。社員でなくなったときの返還には、債権の申出を求める公告などの手続きが定められています(宅建業法64条の11)。どちらの道でも、納めた資金は当面動かせないものとして扱い、運転資金の計算からは外しておきます。開業資金の積み方そのものを一から整理したい方は、「不動産の開業ガイド」の記事で費用の箱の分け方を確かめてください。

「保証協会に入らない場合に必要な営業保証金とは」の先の進め方は、無料セミナーで整理できます。

初期費用で分かれる保証協会の分担金と営業保証金

開業時に手元から出る現金は、営業保証金を供託するなら主たる事務所で1,000万円です。保証協会に入るなら分担金60万円で済みます(施行令2条の4・7条)。

この差を生んでいるのは保証の厚みではなく、資金を一社で積むか社員で出し合うかという仕組みの違いです。そのうえで、事務所の数、法令の外にある費用、資金が戻るまでの時間という三つで、実際の負担は動きます。

事務所の数で積み上がる初期費用の違い

  • 供託(主たる事務所)1,000万円
  • 供託(その他の事務所)500万円
  • 分担金(主たる事務所)60万円
  • 分担金(その他の事務所)30万円

1. 事務所の数で、どちらの道でも額が積み上がる

営業保証金は、主たる事務所について1,000万円、その他の事務所ごとに500万円(施行令2条の4)。弁済業務保証金分担金は、主たる事務所について60万円、その他の事務所ごとに30万円です(施行令7条)。本店だけで始めるうちは、金額の比較が単純です。支店を置く計画があるなら、その他の事務所の分を事務所の数だけ重ねた額で比べます。

ここで見落とされやすいのが、事務所が増えると費用が増えるのは供託や分担金だけではない、という点です。事務所ごとに、専任の宅地建物取引士を置くことが求められます。業務に従事する者の数に対して5分の1以上の割合です(宅建業法31条の3第1項・施行規則15条の5の3)。二拠点目を出すと、分担金30万円の話の隣に、常勤の資格者の人件費が並びます。支店の計画は、売上の形が見えてから改めて立てる方が、固定費の山が低く済みます。

2. 法令が額を決めるのは分担金までで、入会金と年会費は協会が決める

分担金の額は施行令7条に書かれているため、どこの本部に入っても同じです。一方で、入会金や年会費、支部で使う費用は、協会の地方本部がそれぞれ定めています。同じ協会でも、都道府県が違えば額が違います。公表されている資料も本部ごとなので、全国の相場を一つの数字で言い表すことはできません。

確かめ方は決まっています。事務所を置く予定の都道府県の本部に、納める時期と、一度きりか毎年かを分けて尋ねます。合計額だけを聞くと、翌年から毎年出ていく分が合計に埋もれます。案内をもらったら、自分の資金計画の表に「開業月に出る額」と「毎年の固定費に乗る額」の二列で書き写してください。

法令で決まる分担金と協会が決める費用

事務所の区分供託の道(営業保証金)協会の道(分担金)
主たる事務所1,000万円60万円
その他の事務所(1か所ごと)500万円30万円

3. 手元を離れたお金が、いつ戻るか

分担金も営業保証金も、廃業したときに一定の手続きを経て戻る性質のものです。ただし、戻るまでに時間がかかる点では同じです。戻ってくるお金だから負担が軽い、とは考えず、開業から最初の入金までを支える運転資金とは別の箱に置きます。

同じ理由で、初期費用の比較は開業月だけで終わらせない方がよいと言えます。毎年の会費とシステムの利用料まで含めた24か月分で見ると、判断が変わることがあります。看板や集客の仕組みに毎月の固定費を払う形と比べたい方は、「不動産フランチャイズは加盟すべきか」の記事の固定費の並べ方も合わせて見てください。

保証協会に入るメリットとデメリットはどこで分かれるか

初期費用が軽くなる代わりに、毎年の会費と、還付が起きたときの還付充当金の負担が続きます。

独立を考える不動産会社員が、開業準備中の事務所で作業を進めている様子

分かれ目は三つです。開業時の現金の厚さ、協会の仕組みをどれだけ使うつもりがあるか、万一の事態に耐えられる資金を別に持てるか。どれか一つだけを見て決めると、開業の半年後に無理が出ます。

保証協会に入るメリットとデメリット

観点保証協会に入るメリット保証協会に入るデメリット
初期費用1,000万円を用意せずに済む入会金という法令の外の費用が乗る
日々の運営研修や苦情の解決という仕組みを使える事業を続ける限り毎年会費が出ていく

1. 初期費用を抑える効果は、その後の会費と合わせて見る

保証協会に入る最大の効き目は、主たる事務所について1,000万円を用意せずに済むことです(施行令2条の4・7条)。自己資金の大半を供託に回してしまうと、広告費も人件費も動かせなくなります。開業直後の身動きの取りやすさという点で、加入の道を選ぶ人が多くなります。

その代わり、入会金と年会費という法令の外の費用が乗り、年会費は事業を続ける限り毎年出ていきます。仲介の報酬が入るまでに数か月かかる商売では、固定費の一行が増えることの重さは金額以上です。初年度の収支を書くときは、分担金を初期費用の欄に、会費を毎月の固定費の欄に分けて置いてください。

2. 研修・苦情の解決・相談という仕組みを使える

協会は研修を実施することとされています(宅建業法64条の6)。取引の場面ごとの注意点や書式の使い方を、開業してから学び直せる場です。苦情の解決も協会の業務として定められています(同法64条の5)。取引の相手方との行き違いが起きたときに、間に入る窓口が制度として用意されているということです。

このほか、必須とされる三つの業務に加えて、協会が行うことのできる業務も法は定めています(宅建業法64条の3)。手付金等の保管に関する事業などがこれにあたり、扱う取引によっては実務で使う場面が出てきます。何がどこまで使えるかは、協会と本部で違います。入会の相談の際に、自分が始める取引の型を伝えたうえで確かめるのが早道です。

3. 還付充当金と、社員の地位を失ったときに起きること

加入の道には、供託の道には無い負担があります。取引の相手方に弁済業務保証金が還付されたとき、協会はその社員に還付充当金を納付すべきことを通知します。社員は、通知を受けた日から2週間以内に納めなければなりません(宅建業法64条の10)。自分の取引で生じた債権が原因であれば、結局はその分の資金を自分で用意することになります。

納めなかった場合はさらに重くなります。社員の地位を失い、その日から1週間以内に営業保証金を供託しなければならないと定められています(宅建業法64条の15)。主たる事務所だけでも1,000万円です(施行令2条の4)。60万円で始められたはずの人が、1週間で1,000万円を用意する。この場面が制度として用意されていることは、加入を決める前に知っておく方がよい事実です。取引ごとの記録と、苦情が出たときの初動の早さが、そのまま資金のリスクにつながります。

どの保証協会に入るかで分かれる、ハトとウサギの違い

指定を受けた保証協会は二つあり、ハトマークの全国宅地建物取引業保証協会と、ウサギマークの不動産保証協会です。

弁済業務の中身は法令が定めているため、どちらに入っても取引の相手方から見た保証の枠組みは同じです。違いが出るのは三つです。入会の入り口になる業界団体、地方本部ごとの費用、そして地域の支部でどれだけ人とつながるかという部分です。

二つの保証協会の共通点と違い

比較項目全国宅地建物取引業保証協会不動産保証協会
シンボルハトマークウサギマーク
入り口の業界団体都道府県の宅地建物取引業協会全日本不動産協会
弁済業務の中身同じ(法令で定められているため)同じ(法令で定められているため)
分担金同額(施行令7条)同額(施行令7条)
入会金・年会費など地方本部ごとに異なる地方本部ごとに異なる

1. 二つの協会と、入り口になる業界団体

全国宅地建物取引業保証協会の社員になる道は、都道府県の宅地建物取引業協会への入会と組み合わさっています。不動産保証協会の場合は、全日本不動産協会が入り口になります。どちらの道でも、業界団体と保証協会の両方に関わる形になるため、案内の金額も二つの団体の分が並びます。

シンボルのマークで呼び分けられることが多いのは、店頭の看板やのぼりに使われているためです。制度上の優劣を表すものではありません。どちらを選ぶかは、費用、支部の活動の中身、自分が仕事で付き合う同業がどちらに多いか、といった実務の条件で決めることになります。

2. 入会金と年会費の全国比較は、内訳に分けてから

費用の比較をするなら、二つの協会の名前で検索した額を並べても足りません。自分が事務所を置く都道府県の本部が出している案内を、二つ取り寄せる方が確実です。分担金は施行令7条で決まっているため同額で、差が出るのはそれ以外の部分だからです。

尋ねる項目は、入会金、年会費、支部で使う費用、入会時の研修にかかる費用、それに年の途中で入会したときの会費の扱いです。案内の合計額に、任意で加入する団体の会費が含まれていないかも確かめてください。同じ都道府県でも、支部によって行事や負担の重さが違うことがあります。支部名まで指定して聞くと、具体的な数字になります。

3. 支部でできることと、時間の負担

地域の支部は、同業との情報のやり取りが生まれる場でもあります。売り物件の情報や、共同で仲介する相手の心当たりは、開業直後にもっとも足りないものです。ここに価値を感じるなら、加入の意味は費用の話を超えます。

一方で、研修や会合に出る時間は自分の営業の時間から出ていきます。一人で始める予定なら、年に何回、どの程度の時間が必要になるかを入会の前に聞きます。月の予定に入る量かどうかを見てください。出られない月が続くと会費だけが残るので、そこまで含めて選ぶのが現実的です。

大家・兼業・事務所の数で分かれる保証協会の要否

自ら貸すだけなら、免許も保証協会も要りません。売買や仲介を業として反復継続するなら免許が要ります(宅建業法2条2号・3条1項)。

まず、線を越えるかどうかが決まります。越えると決めた後に、事務所をいくつどこに置くかで納める額と手続きの期限が分かれます。会社員のまま準備する人は、ここに専任の宅地建物取引士を置けるかという条件が重なります。

事務所を増やすときの手続きの順序

観点供託の道保証協会の道
手続きの順序先に納めてから開ける開けてから納める
納めるもの増設した事務所の分の営業保証金分担金
納める期限事業を始める前新たに事務所を設置した日から2週間以内
期限に遅れた場合事業を始められない社員の地位に関わる

1. 賃貸だけを続けるか、売買・仲介に踏み出すか

持っている部屋を自分で貸して家賃を受け取るだけなら、宅地建物取引業の定義の外にあります。免許も保証協会も関係ありません。免許が必要になるのは、宅地や建物の売買・交換を自ら行う場合です。売買・交換・貸借の代理や媒介を、業として反復継続して行う場合も同じです(宅建業法2条2号・3条1項)。

区分を何度も売り買いする、区画を割って分譲する、知人の物件の買い手を探して報酬を受け取る。こうした動きが続くと、自分では資産の整理のつもりでも、外から見れば業として行っている形に近づきます。迷う事例は、始める前に免許権者の窓口で事情を説明しておくのが確実です。大家として持っている物件を事業に組み替える順番は、「大家が宅建業免許を取る5つの理由」の記事で扱っています。

2. 事務所を増やすときの期限は、供託と協会で向きが逆になる

事務所を増やすときの段取りは、選んだ道で前後が入れ替わります。供託の道では、増設した事務所の分の営業保証金を供託して届け出ます。それまで、その事務所で事業を始められません(宅建業法26条)。先に納めてから開ける順番です。

保証協会の道では、社員が新たに事務所を設置したときの定めがあります。その日から2週間以内に分担金を納付することとされています(宅建業法64条の9)。開けてから納める順番ですが、期限内に納めなければ社員の地位に関わります。出店の日と資金の用意日は、同じ表に置いておきます。分担金は金銭で納める扱いなので、有価証券で用意する余地もありません。

事務所を増やすときの供託と協会の順番

  1. 1

    供託の道(先に納める)

    増設分の営業保証金を供託して届け出る。それまでは事業を始められない。

  2. 2

    協会の道(後から納める)

    新たに事務所を設置した日から2週間以内に分担金を納付する。

3. 二つの都道府県に事務所を置くと、免許の区分が変わる

事務所を1の都道府県だけに置くなら都道府県知事免許、2以上の都道府県に置くなら国土交通大臣免許です。分かれ目は事務所の数であって、取引する物件の場所ではありません。大臣免許の新規の申請には登録免許税9万円、更新には手数料3万3千円がかかります(国土交通省の免許の案内)。

保証協会の本部も都道府県ごとに置かれています。県をまたいで事務所を持つなら、それぞれの本部や支部との関わりが生じます。最初から二県にまたがる計画があるなら、免許の区分と協会の窓口をセットで確かめてください。自己資金が薄いまま拠点を広げると、分担金と人件費が同時に増えます。資金の作り方から考え直したい方は、「不動産投資の融資が通らない大家へ」の記事も参考になります。

「大家・兼業・事務所の数で分かれる保証協会の要否」の先の進め方は、無料セミナーで整理できます。

保証協会への加入の流れ①申込みの前に決めること

申込みの前に、事務所を置く都道府県の本部へ、必要書類と費用の内訳、申込みから入会までの日程を確かめます。

ここが決まらないと、免許の申請の日程も動かせません。順番としては、相談の予約、事務所と宅建士の確定、費用の内訳の聞き取りの三つを、免許の準備と並行して進めます。

申込みの前に決めることと確かめること

  • 事前の相談

    免許の申請書を書き始める頃に連絡し日程の目安を聞く

  • 事務所と宅建士の確定

    物件契約前に窓口で相談し、事務所ごとに専任を置く

  • 費用の内訳と日程の確認

    申込みの時期や入会までの日数、面談の有無を確かめる

1. 事前の相談は、免許の準備と同じ時期に始める

入会の申込みを受け付ける時期や必要書類は、協会と地方本部によって決まっています。自分の予定に合わせて動かせるものではありません。申込みから入会までに要する日数も、本部ごとに違います。免許の申請書を書き始める頃には一度連絡を取り、日程の目安を聞いておきます。

聞く内容は三つで足ります。免許の申請の前後どちらで申込みができるか、申込みから入会までにどれくらいの日数を見ておくか、面談や説明会に出る必要があるか。この三つが分かれば、営業を始められる日の見当がつきます。目安として示される日数は事務処理の見込みであって、法令の期限ではありません。書類の不足があればその分だけ後ろにずれます。

2. 事務所と専任の宅地建物取引士を先に固める

免許の申請でも協会の入会でも、事務所が要件を満たしているかは必ず見られます。基準になるのは、生活の空間や他社の使う部分と明確に区分され、継続して業務を行える状態かどうかです。物件を契約する前に、間取り図を持って免許権者の窓口で相談する方が手戻りがありません。

専任の宅地建物取引士は、事務所ごとに置きます。業務に従事する者の数に対して5分の1以上の割合です(宅建業法31条の3第1項・施行規則15条の5の3)。会社全体ではなく事務所ごとに数える点が資金計画に効いてきます。自分が専任になるなら、登録と宅地建物取引士証の交付まで終えておく必要があります。その手順は「宅建合格後にやること」の記事にまとめています。

3. 費用の内訳を、納める先と時期に分けて聞く

本部から金額の案内をもらったら、合計の下に自分で四つの欄を作ります。分担金、業界団体の入会金、年会費、支部や研修にかかる費用です。分担金は施行令7条で額が決まっている一度きりの支出で、年会費は事業を続ける限り毎年出ます。この区別ができていれば、初年度の資金繰りに正しく写せます。

あわせて、納付の時期も聞いておきます。免許の通知が出る前に払うのか後なのか、分割の扱いがあるのか。事務所の敷金、内装、免許の申請手数料と支払いが重なる月があるかもしれません。どれか一つを翌月にずらせるかを早めに相談しておくと、手元資金が一度に薄くなる事態を避けられます。

保証協会への加入の流れ②申込み・審査・分担金の納付

申込書類の提出と審査を経て、加入しようとする日までに分担金を納めます。分担金を納めて社員となった時点から事業を始められ、協会は弁済業務保証金を供託します(宅建業法64条の9・64条の7・64条の13)。

開業を控えた会社員大家が、手続きのためにビジネス街の歩道を歩いている様子

流れの中で自分が動く場面と、協会が動く場面は分かれています。どこで待ちが生まれるかを知っておくと、開業日の置き方が現実的になります。

申込みから営業開始までの流れ

  1. 1

    申込みと審査

    事務所が業務を行える状態か、役員に欠格事由がないか確かめられる。

  2. 2

    分担金の納付

    加入しようとする日までに、協会へ分担金を納付する。

  3. 3

    社員となり営業開始

    分担金を納めて社員となった時点から事業を始められる。協会は弁済業務保証金を供託する。

1. 申込みと審査で見られること

申込みでは、免許の申請の内容と重なる資料を求められます。会社の登記事項、事務所の状況が分かる写真や図面、代表者や専任の宅地建物取引士に関する書類などです。免許の申請で一式をそろえているなら、その写しを使える場面が多く、二度手間になる部分は限られます。

審査では、事務所が実際に業務を行える状態にあるか、役員に欠格にあたる事情がないかといった点が確かめられます。面談や説明会が組まれる本部もあり、そこに出られる日が決まらないと先へ進みません。開業の予定日から逆算するのではなく、審査の日程に合わせて開業日を置く方が、無理のない進め方になります。

2. 分担金を納める時期と方法

保証協会に加入しようとする者には、納付の期限が定められています。加入しようとする日までに、弁済業務保証金分担金を協会に納付します(宅建業法64条の9)。額は主たる事務所について60万円、その他の事務所ごとに30万円です(施行令7条)。納付は金銭で行う扱いなので、営業保証金のように有価証券を充てることはできません。

納付の期日は本部の案内で示されるため、その日に間に合うよう資金を動かします。同じころ、免許の申請にも手数料が要ります。東京都の案内では、電子申請なら新規・更新とも26,500円です(宅地建物取引業免許の電子申請)。紙で申請する場合は、手引に3万3千円・現金持参と示されています(東京都「宅地建物取引業免許申請の手引」)。添付書類は、申請先の手引で確かめてください。

3. 協会の供託と、営業を始められる日

分担金の納付を受けた協会は、その額に相当する額の弁済業務保証金を供託所に供託します(宅建業法64条の7第1項)。ここは協会が動く場面で、社員の側が供託所へ出向くことはありません。営業保証金の供託とは、手を動かす人が違います。

社員である間は、営業保証金を供託しなければならないという定めが適用されません(宅建業法64条の13)。そのため、分担金を納めて社員となった時点から事業を始められる形になります。供託の道で必要だった免許権者への届出を自分で行う場面が無い分、営業開始までの段取りは短くなります。ただし入会までに要する日数は、協会の側の都合で決まります。どちらが早いかは一概に言えません。

加入した後に続く保証協会の手続きと費用

入会した後も、事務所や役員が変わったときの届出、研修の受講、還付が起きたときの還付充当金の納付が続きます。

開業の準備が終われば終わり、という性質のものではなく、事業を続ける限り年ごとの作業と支出が残ります。どの作業がいつ来るかを最初に把握しておくと、期限の取りこぼしが減ります。

加入した後に続く手続きと費用の負担

  • 変更の届出

    商号や役員の変更時は30日以内に免許権者と協会へ

  • 事務所の増設

    新たに設置した日から2週間以内に分担金を納付する

  • 研修の受講

    年の初めに日程を確かめ、営業の予定と調整しておく

  • 契約前の説明

    契約成立までに供託所等の所在地を相手方に説明する

1. 事務所や役員が変わったときの届出

商号、事務所の所在地、役員や専任の宅地建物取引士に変更があったときは、30日以内に免許権者へ届け出ます(宅建業法9条)。同じ内容を協会にも伝える必要があり、届出の様式や期限は本部の定めによります。二か所に出すものだと覚えておくだけで、忘れる確率が下がります。

事務所を増やす場合は、届出だけでなく分担金の納付が伴います。新たに事務所を設置した日から2週間以内に納めることとされています(宅建業法64条の9)。出店の意思決定の段階で、資金を確保しておきます。免許の有効期間は5年で、満了すれば更新の申請が必要です(宅建業法3条2項)。更新の時期と会費の請求が重なる年があるので、期限は一つの表で管理する方が安全です。

2. 研修と、契約前の供託所等の説明

協会が実施する研修は、社員としての関わりの中心になる部分です(宅建業法64条の6)。開催の時期と回数は本部ごとに決まっているため、年の初めに日程を確かめて営業の予定と調整しておきます。出席が難しい月が続くようなら、その事実も含めて加入の価値を見直す材料になります。

日々の取引では、契約が成立するまでの間に説明することがあります。社員である旨と協会の名称・住所・事務所の所在地、そして弁済業務保証金が供託されている供託所とその所在地です(宅建業法35条の2。相手方が宅地建物取引業者である場合を除きます)。重要事項説明書のひな形に組み込んでおけば、担当者が増えても抜けません。

3. 脱退・廃業のときに戻る額と時間

社員でなくなったときの分担金の返還には、債権の申出を求める公告などの手続きが定められています(宅建業法64条の11)。手続きを経て戻る性質のものですが、廃業の翌月に入金される類のものではありません。事業をたたむ判断をするときの資金繰りには入れられません。

社員の地位を失った場合の定めも押さえておきます。その日から1週間以内に、営業保証金を供託しなければなりません(宅建業法64条の15)。脱退して別の協会へ移るような場合も、空白の期間が生じないよう手順を確かめてから動く必要があります。順番を間違えると、営業を続けられない期間が生まれます。

「加入した後に続く保証協会の手続きと費用」の先の進め方は、無料セミナーで整理できます。

保証協会と供託のどちらにするか、リアサポで確かめること

当社の無料セミナーでは、事務所の数と手元の資金から整理します。分担金で始める形と供託で始める形の、どちらが自分の計画に収まるかです。

開業を考える人が、机の上で紙にペンを走らせて資金計画を練っている手元

株式会社リアテクスは宅建業者で、リアサポは2022年秋に始めた開業・経営の支援のサービスです。無料セミナーはオンラインで約3時間、開業の順番と費用の全体像を扱う、当社のサービス説明会を兼ねた場です。

相談の前に手元にあると早いもの

事務所の候補が、どの都道府県にいくつあるか。ここが決まらないと、供託でも分担金でも総額が出ず、免許の区分も決まりません。物件が未定でも、候補の地域と、自宅を使う可能性があるかどうかまでは言葉にしておいてください。

自分が専任の宅地建物取引士になれるか、雇うことになるか。ここは固定費の形を変える条件です。勤めを続けながら準備する方は、常勤の資格者を前提に月々の支出を組み直すことになります。あわせて、開業してから最初の入金までに何か月かかる商売かを書き出してください。分担金と会費を引いた後に残る資金が見えます。

無料セミナーの前に整理しておく条件

整理しておく条件決まること・見えてくるもの
事務所の候補地と数供託や分担金の総額と免許の区分
専任の宅建士を誰にするか常勤の資格者を雇う場合の固定費
最初の入金までの期間分担金と会費を引いた後に残る資金

当社のセミナーが向かない場合

賃貸の管理だけを続け、売買や仲介を業として行う予定が無い方には、この内容は必要ありません。自ら貸す行為は宅地建物取引業の定義の外にあり、免許も保証協会も関わらないためです。

入会の申込書や免許の申請書そのものを作ってほしい、という段階の方も同じです。書類の作成は行政書士の仕事で、当社ではお受けできません。急いで申請まで終えたいなら、申請先の都道府県の手引に慣れた行政書士に依頼する方が早く確実です。

二つの協会のどちらが得かという結論だけを求めている方にも、当社からお渡しできる答えはありません。入会金や年会費は地方本部ごとに違い、支部の活動も地域で異なるため、優劣を一般論で決められないからです。比べる項目の並べ方まではご一緒できますが、金額は本部に直接お尋ねください。

取引態様:本メディアでは物件の売買・仲介を行いません。記事でご案内する無料セミナー「リアサポ」は、運営会社である当社のサービスです

お問い合わせはメールで承っています。開業そのものを急がない方がよい場合の考え方は、「不動産で独立するには」の記事にも書いています。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。免許の申請については都道府県の窓口または行政書士へ。税務や融資については税務署・金融機関または税理士、契約や権利関係については弁護士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は宅建業者であり、税務や法律の代理、免許申請の代行はできません。

「保証協会と供託のどちらにするか、リアサポで確かめること」の先の進め方は、無料セミナーで整理できます。

宅建業の保証協会で費用と時期を決める要点

  • 主たる事務所ひとつなら、供託は1,000万円、保証協会の分担金は60万円(施行令2条の4・7条)。取引の相手方への還付の限度は、社員でないとしたら供託すべき営業保証金の額に相当する範囲です。保証の枠組みは変わりません(宅建業法64条の8第1項)。
  • 法令が額を決めているのは分担金までで、入会金と年会費は協会の地方本部ごとに違います。合計ではなく、一度きりの額と毎年の額に分けて聞きます。
  • 加入の道では、還付が起きれば還付充当金を2週間以内に納めます。納めなければ社員の地位を失い、1週間以内に営業保証金の供託が必要になります(宅建業法64条の10・64条の15)。

当社は宅建業者で、無料セミナー(リアサポ)を運営しています。協会の優劣そのものは決められません。事務所の数と資金の時期から、供託と加入のどちらで組むかの比べ方までをご一緒できます。

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宅建業の保証協会についてよくある質問

Q1. 宅建業者の保証協会とは、何をするところですか?

国土交通大臣の指定を受けた団体です。社員である宅建業者に代わって弁済業務保証金を供託し、その社員と取引した人への還付にあたります。必ず行う業務として、三つが定められています(宅建業法64条の3第1項)。社員の取り扱った取引についての苦情の解決、宅建業に従事する者への研修、弁済業務です。開業を考える側から見れば、営業保証金を自分で供託しなくても営業を始められるようにする仕組みです。同時に、入会後は研修や苦情の申出への対応という関わりが続く相手でもあります。

Q2. 宅建の保証協会に供託する金額はいくらですか?

社員が供託所へ供託するのではありません。協会に弁済業務保証金分担金を納め、協会がその額に相当する弁済業務保証金を供託します(宅建業法64条の7第1項)。納める額は、主たる事務所について60万円、その他の事務所ごとに30万円です(施行令7条)。協会に入らず自分で供託する場合の営業保証金は、額が別に定められています。主たる事務所について1,000万円、その他の事務所ごとに500万円です(施行令2条の4)。分担金は金銭で納める扱いで、有価証券を充てることはできません。

Q3. 宅建協会と保証協会の費用は、合わせていくらになりますか?

全国で共通の額を示すことはできません。法令に額が書かれているのは、弁済業務保証金分担金の60万円だけです(施行令7条)。業界団体の入会金、年会費、支部で使う費用は、それぞれの団体の地方本部が定めています。確かめ方は、事務所を置く予定の都道府県の本部に、分担金、入会金、年会費、支部や研修の費用に分けて尋ねることです。そのとき、一度きりの支出と毎年続く支出を分けて書き取ってください。合計だけを聞くと、翌年から毎年出ていく分が見えなくなります。

Q4. 宅建の保証協会に入る流れは、どうなりますか?

事務所と専任の宅地建物取引士を固め、本部へ事前に相談します。申込書類を出して審査を受け、加入しようとする日までに分担金を納めます(宅建業法64条の9)。協会が弁済業務保証金を供託します。社員である間は営業保証金を供託する定めが適用されないため(同法64条の13)、社員となった時点から事業を始められます。申込みを受け付ける時期、面談の有無、入会までに要する日数は、本部ごとに違います。免許の申請書を書き始める頃に一度連絡を取り、日程の目安を確かめておくと予定が組めます。

Q5. 不動産でハトとウサギの違いは何ですか?

看板やのぼりに使われているシンボルの違いです。ハトマークは全国宅地建物取引業保証協会、ウサギマークは不動産保証協会の系統を指します。弁済業務の内容や還付の限度は法令が定めています。どちらの社員であっても、取引の相手方から見た保証の枠組みは同じです。違いが出るのは、入会の入り口になる業界団体、地方本部ごとの入会金と年会費、支部の活動の中身です。なお宅地建物取引業者は、令和6年度末で132,291業者と国土交通省が公表しています(宅地建物取引業者数等の調査結果)。そのうちどちらに入る業者が多いかは、地域で異なります。

Q6. 保証協会に入らず、営業保証金を供託する方が向くのはどんな場合ですか?

主たる事務所について1,000万円を、運転資金とは別に用意できる場合です(施行令2条の4)。協会の年会費や研修への参加といった継続的な関わりは生じません。一方で、供託した旨の届出をするまで事業を開始できず(宅建業法25条5項)、廃業時の取戻しには6か月を下らない期間の公告が要ります(同法30条2項)。逆に、開業直後の現金を広告費や人件費に回したいなら、分担金で始める形が合います。どちらが向くかは、手元資金の厚さと、最初の入金までの月数で決まります。

当社の見方

長期的な戦略として「賃貸業」を規模拡大させていくにはこの事業を大きく伸ばしていくのは、前述した「短期で儲けられない特徴」「長期借入の必要があり属性が重要」この 2 点をクリアしていかない限り、規模拡大はどこかで頭打ちになります。

どちらが儲かる、儲からないではなく、それぞれ事業の特徴が、「ストック型」「フロー型」とで全く異なります。簡単にいえば、短期的には「転売のほうが儲かる」。けれども、長期で見たら「保有が儲かる」のです。

相場1億の物件があったとします。賃貸業なら1億で買っても利益が出る。買取再販なら同じ物件を1億で買ったら損する。安く買わないと儲からない。…不動産業で、買取再販なら、仕入れが命なんですよね。

補足(編集部):大家業の頭打ちとストック・フローの2段落は代表の著書(2024年7月)、仕入れの段落は2024年7月9日のセミナーでの話で、どちらも原文のままです。保証協会に入るかどうかを、大家として売買に踏み出すかと合わせて考えるための見方です。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は自らも宅建業を営み、不動産業の開業を支援する立場から、宅建業の開業・宅建試験・不動産投資を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。
この記事の事実確認の方法
法令:宅地建物取引業法、宅地建物取引業法施行令出典:国土交通省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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